仮設建築物・構造物の設計、強度計算、構造計算及び構造計算書や強度計算書(例:タワークレーン設置・解体のためのクレーン設置届やクレーン設置報告書における技術検討書等)の作成を請負います。コンクリート及び鋼製構造物のFEM解析(FEA)全般を請け負います。

土地付き太陽光発電

1.はじめに

数年前ごろから、これまでには無かった新しい不動産投資として「土地付き太陽光発電投資」が注目されています。不動産投資といえば、マンションやアパートの賃貸経営などがポピュラーですが、この「土地付き太陽光発電投資」は従来の不動産投資と何が違うのでしょうか?
 マンション経営などの従来の不動産投資について、あなたはどのようなイメージを持たれていますか?もちろん“投資”ですからメリットとデメリットの両方があると思います。例えばあなたがマンション経営などに対して持っているマイナスイメージは次のようなものでしょうか?

・“手元に高額な資金が必要では?資金が手元に無ければ長期ローンの必要も!?”
・“空室が続いてローンを返済できない話も聞くし… やっぱりリスクが高そう”
・“マンション経営って結構手間がかかりそうなイメージ…”
・“意外と利回りも低いという話も聞くし… 手間がかかる割にはあまり儲からないのでは?”

 マンション経営等へのマイナスイメージとして、“空室リスクがある”、“意外と利回りが低い”、“手間がかかる”などがあげられるかと思います。一方、「土地付き太陽光発電投資」はどうでしょう?世間一般の「土地付き太陽光発電投資」の主なプラスイメージは下記の①~③ではないでしょうか?

 ①高利回り
 ②低リスク
 ③手間いらず

 まず「①高利回り」はどうでしょう?販売広告等で「土地付き太陽光発電」の利回りをみてみると10%超えがほとんどで、マンション経営等に比べて高い利回りといえます。次に「②低リスク」については、空室リスクがないので相対的にリスクは低いように思われます。そして「③手間いらず」についてもマンション経営等と比較すると、人(賃借人)を相手にしている訳ではないので、たしかに手間はかからなそうです。ここ最近「土地付き太陽光発電投資」が注目されている主な理由は、マンション投資等の従来の不動産投資のマイナスイメージがないことかもしれません。
しかし、これらのプラスイメージは漠然としたものなので、いざ実際に投資する人にとっては、これがどの程度まで本当なのかは興味深いところだと思います。

 本記事では、世間一般のイメージどおりに「土地付き太陽光発電投資」は、“①高利回り”で“②低リスク”なのか!?を実際の物件情報等に基づいて調査・検討した結果をお届けします。そして、本記事の最後に「土地付き太陽光発電投資」は“あり”か“なし”かの結論をまとめています。なお、今回の記事では、“③手間いらず”は割愛しています。その理由は、実際に賃貸アパート管理を行っている筆者の経験からして、“太陽光発電設備に頻繁に故障が無ければ”という条件付きですが、おそらく本当に、賃貸経営等に比べて手間はそれほどかからないのではないかと思うからです。
 今回のテーマは将来の年金保証もあやうい現在の日本にお住まいのあなたにとっても非常に興味深いものではないでしょうか?長文ですが最後までお付き合い頂けたら幸いです。

2.土地付き太陽光発電の概要

そもそも「土地付き太陽光発電」とは何を指すのでしょうか?太陽光発電設備は、一般家屋の屋根などにも多数設置されていますが、それと何が違うのでしょうか?これを理解するためには、まず「固定価格買取制度」を理解する必要があります。

2.1 固定価格買取制度

図1に固定価格買取制度のしくみを示します。固定価格買取制度とは、2012年7月に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づく国の法律に基づく制度です。この制度では、太陽光や風力といった自然エネルギー等の再生可能エネルギーによって発電された電気は、国が定めた売電価格で電力事業者(東京電力、関西電力等)が買い取ることが約束されます。もっとも使用する太陽光発電設備は認定されたものでなければならない(設備認定)等の条件が付きますが、原則、太陽光で発電した電気は決められた価格で買い取ってくれます。ちなみに電力事業者が買い取る費用はどこからもってくるかといいますと、電気を利用しているあなたも含めた電気利用者から“賦課金”として徴収されています。
 以上のように、この制度では太陽光で発電した電気はすべて買い取ってくれるはずなのですが、最近、天候によって発電量が左右されてしまう太陽光による電気の多量の買取は安定的な電力供給を阻害しかねないこと等を理由に、事実上、買取を拒否又は売電量の抑制が電力事業者によっては行われています。大都市圏の電力供給を担う電力会社(東京電力、関西電力、中部電力)では、いまのところ基本的に全量の買い取りが行われているようですが、将来的には全面的な売電量の抑制等の措置がとられることは十分に考えられると思います。
固定価格買取制度のしくみ
図1 固定価格買取制度のしくみ[1]

2.2 固定価格買取制度を活用した土地付き太陽光発電投資

表1に平成28年度の固定価格買取制度における太陽光発電の売電価格と売電保証期間を示します。表1(a)は10kW未満の太陽光発電設備の「余剰買取」を対象としたものです。ここで「余剰買取」とは、例えば自宅の屋根に太陽光発電設備を設置する場合などで、太陽光で発電した電気を自分の家で消費してもなお余った電気については売電ができるというものです。一方、表1(b)の10kW以上の太陽光発電設備の場合は、余剰買取ではなく全量買取で、発電した電気をすべて売電できます。表1(a)の「10kW未満(余剰買取)」の売電単価は31~33円と表1(b)の「10kW以上」の24円+税に比べて高く設定されていますが、「発電した電気をすべて売電できること」、「売電保証期間が20年と表1(a)に比べて10年も長いこと」、「発電設備の容量を大きくできること」から、売電目的の場合、総合的にみて表1(b)の「10kW以上」の方が有利です。従いまして、売電、すなわち投資を目的として太陽光発電設備を設置する場合、自宅の屋根などに太陽光発電を設置するのではなく、ある一定以上の広さのスペースに一定規模以上の太陽光発電設備を設置することになります。この“ある一定以上の広さのスペース”は、地面やビルの屋上などを指しますが、それらを所有していない一般庶民でもこの投資に参加できるように土地と太陽光発電設備をセットで販売することを目的に商品化されたものが、「土地付き太陽光発電投資」です。

表1 太陽光発電の売電価格と売電保証期間(平成28年度)
太陽光発電の売電価格と売電保証期間(平成28年度)
 図2に「土地付き太陽光発電投資」のイメージ図を示します。土地及び太陽光発電設備を購入したオーナーは、電気事業者に売電して収入を得ます。そして、収入の一部は、太陽光発電設備のメンテナンスの委託費等にあてられて手元に残ったお金が投資したオーナーの収益となります。

土地付き太陽光発電投資のイメージ
図2 土地付き太陽光発電投資のイメージ

(本記事について)
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